抄録
喘息,COPD患者の吸入療法は,技術の習得にこつが必要であり,吸入指導が欠かせない.現在多くの地域で調剤薬局薬剤師が吸入指導を行っているが,それぞれの地域が工夫したやり方で行っており,全国どこで指導を受けても同じような指導が受けられるわけではない.また,実際には薬剤師の技量も不十分で,製薬会社の説明用紙を用いて説明するだけにとどまる所も少なくない.
患者は十分な服薬指導に対して服薬情報提供料などを支払うことを価値があると考えており,このような報酬に値する指導を行えるように技量を高めることが重要である.また医師と調剤薬局薬剤師の意思疎通も十分とはいえず,今後吸入指導手順書や服薬指導依頼書,返信書を作成し指導の手順を整えるなど,吸入指導の標準化を行う必要がある.