日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウムII
在宅訪問診療介入のタイミングと終末期呼吸ケアのあり方
武知 由佳子遠藤 直子丸山 ゆかり石山 亜希子
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2013 年 23 巻 2 号 p. 145-149

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抄録
COPDはcommon diseaseであるが,診断や治療ですら偏在化されず,呼吸器科医に出会うまで苦しんでいる患者が多い.包括的呼吸ケア・リハビリテーションとなるとなおさらである.COPD患者は耐えがたい呼吸苦に悩まされ,実のところ肺癌よりもQOLが低いという報告がある.疾患の進行,急性増悪自身が症状増悪になるため,疾患そのものへの治療が,症状緩和ケアになり,生命予後にも影響を与える.ゆえに症状緩和ケアのなかに,呼吸リハ,HOT,NPPVといった呼吸ケアが含まれるべきである.包括的COPD呼吸ケアの文化を地域に育むこと,つまり病院を巻き込んだ地域への啓発と教育,中身(ケア)の伴う地域医療連携を実現することなしに,COPD患者が障がいを担いつつ,地域で,安心で平安に,そしていきいきと暮すことは難しい.今後団塊の世代の老齢化で,ますます増えるCOPDに急務の課題である.
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© 2013 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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