日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
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ISSN-L : 1881-7319
23 巻 , 2 号
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シンポジウムII
  • 藤本 圭作, 茂木 孝
    原稿種別: シンポジウム
    2013 年 23 巻 2 号 p. 125
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
  • ──石巻地域COPDネットワーク(ICON)──
    矢内 勝
    原稿種別: シンポジウム
    2013 年 23 巻 2 号 p. 126
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
  • 川山 智隆, 田尻 守拡, 木下 隆
    原稿種別: シンポジウム
    2013 年 23 巻 2 号 p. 127-132
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態把握にしばしば気流制限の程度が用いられる.しかし,気流制限の程度は,COPD患者の生活の質(QOL)や予後を反映すべき重症度と必ずしも一致しない.一方,患者の臨床症状や呼吸困難感およびQOLの程度は予後予測因子の一つとして知られる.COPD assessment test(CAT)は,①咳,②喀痰,③息苦しさ,④労作時息切れ,⑤日常生活,⑥外出への自信,⑦睡眠,⑧活力の8項目で患者のQOLを総合的に半定量でき,従来の質問票に比較して簡便で安価である.2011年度版のGlobal Strategy for Diagnosis, Management, and Prevention of COPDドキュメントでは,CATは,呼吸困難レベル,%1秒量や過去の増悪頻度と同様に,症状緩和あるいは将来リスク軽減を予測でき,治療戦略選択に考慮するように推奨されている.
  • 山路 聡子, 梨木 恵実子, 大槻 雪枝, 長谷川 信, 堀江 健夫, 土橋 邦生
    原稿種別: シンポジウム
    2013 年 23 巻 2 号 p. 133-137
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease,以下COPD)は在宅でも医療連携に基づいてアクションプランを用いることにより,急性増悪に早期に対応することが可能である.またそれにより,入院による患者の生活の中断を回避できる可能性があり,生活の質(Quality of Life,以下QOL)の低下を最小限に食い止めることができる.高齢者は急性増悪の症状に気づかない,あるいは症状に気づいても正しく服薬できない等の理由で,訪問看護を契機にアクションプランを開始する場合も多い.訪問看護とチーム医療が在宅での急性増悪の早期対応の要であり,訪問看護師の教育とアクションプラン運用のためのチーム連携システムの確立が必要不可欠である.
  • ──呼吸リハビリを通した医療連携──
    力富 直人
    原稿種別: シンポジウム
    2013 年 23 巻 2 号 p. 138-144
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    COPDが進行した状態では低酸素血症と呼吸困難によりADL,QOLが低下する.これを改善するには薬物治療以外に長期の酸素療法(わが国では在宅酸素療法)や呼吸リハビリテーション(呼吸リハビリ)が有用である.在宅酸素療法導入に際しては酸素業者のみならず医師,看護師,理学療法士,介護スタッフ,家族など多面的な協力が求められ,そのためには他施設,多職種の連携が必要である.在宅呼吸ケア白書によれば呼吸リハビリの普及,在宅でのADL向上,在宅酸素療法の充実が患者の要望であるが,実際には在宅呼吸ケアは進んでいないのが現状である.当院では開院以来,在宅酸素療法患者の治療や呼吸リハビリ,ケアを入院,外来,通所リハビリ,訪問を通して行っており,他医療機関の患者も受け入れて一定の成果を上げてきた.しかし当院を受診する呼吸器病患者の居住するエリアは県内外と広く,一医療機関でできることには限界があるため,他医療機関と連携してきた.呼吸リハビリに関しては,全国的に実施できる施設の情報を開示し,患者が容易にそれを利用できるようにすべきである.
  • 武知 由佳子, 遠藤 直子, 丸山 ゆかり, 石山 亜希子
    原稿種別: シンポジウム
    2013 年 23 巻 2 号 p. 145-149
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    COPDはcommon diseaseであるが,診断や治療ですら偏在化されず,呼吸器科医に出会うまで苦しんでいる患者が多い.包括的呼吸ケア・リハビリテーションとなるとなおさらである.COPD患者は耐えがたい呼吸苦に悩まされ,実のところ肺癌よりもQOLが低いという報告がある.疾患の進行,急性増悪自身が症状増悪になるため,疾患そのものへの治療が,症状緩和ケアになり,生命予後にも影響を与える.ゆえに症状緩和ケアのなかに,呼吸リハ,HOT,NPPVといった呼吸ケアが含まれるべきである.包括的COPD呼吸ケアの文化を地域に育むこと,つまり病院を巻き込んだ地域への啓発と教育,中身(ケア)の伴う地域医療連携を実現することなしに,COPD患者が障がいを担いつつ,地域で,安心で平安に,そしていきいきと暮すことは難しい.今後団塊の世代の老齢化で,ますます増えるCOPDに急務の課題である.
ワークショップIII
  • 一和多俊男 , 千住 秀明
    原稿種別: ワークショップ
    2013 年 23 巻 2 号 p. 150-151
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
  • ──慢性期理学療法の立場から──
    北川 知佳, 力富 直人, 神津 玲, 千住 秀明
    原稿種別: ワークショップ
    2013 年 23 巻 2 号 p. 152
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
  • ──急性期理学療法の立場から──
    眞渕 敏
    原稿種別: ワークショップ
    2013 年 23 巻 2 号 p. 153-156
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    急性期の呼吸理学療法は慢性期と同様に古い歴史をもちながら,これまで未発展のまま現在にいたっている.近年,集中治療室での挿管・人工呼吸管理患者の超急性期やCOPDにおける急性増悪期から呼吸理学療法,人工呼吸器関連肺炎の予防などにおいて効果が明確になるにつれて重要性が徐々に増している.しかし,積極的な急性期呼吸理学療法を展開している施設は少ないといわざるをえない.その大きな理由は,理学療法士に対する集中治療や急性疾患の卒前・卒後教育の不足,急性期における理学療法の啓蒙の不足,理学療法の業務制限などがあげられ,専門性をもった理学療法士の育成のための見直しと改善の必要性が求められている.
  • ──理学療法士協会の立場から──
    半田 一登
    原稿種別: ワークショップ
    2013 年 23 巻 2 号 p. 157-158
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    平成18年の診療報酬改定で呼吸器リハビリテーション料が認められ,それ以降,呼吸器理学療法が大きく前進したことは疑う余地はない.しかし,平成23年度の実績をみると,脳血管リハビリ料1,400万件,運動器リハビリ料1,050万件に比べると呼吸器リハビリ料はたった36万件でしかない.この状況をもたらしている背景として,廃用症候群の存在があると考えるのが妥当である.
    2025年を目途とした地域包括ケアシステムでは,現在の一般病床を高度急性期・一般急性期・亜急性期と区分する方向性を示している.この高度急性期医療における理学療法を考えたときに急性期呼吸理学療法以外には浮かんでこない.一方では,在宅医療の量的拡大に伴って維持期呼吸理学療法の推進を図らねばならない.肺炎による死亡者数が3位となった今,医師や看護師以外の呼吸管理能力が問われている.
  • ──医師の立場から──
    安藤 守秀
    原稿種別: ワークショップ
    2013 年 23 巻 2 号 p. 159-164
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    慢性期の呼吸リハのこれからにおいては,アウトカムとして運動耐容能やQOLを偏重する姿勢から脱却し,activity promotionを新しいキーワードとした日常活動性向上に向けた総合的なアプローチが重要となると思われる.ここでは運動療法だけでなく作業療法も重要な役割を果たす.また維持期の呼吸リハについては,その担い手は実地医家や介護の領域の人たちであるべきで,これらの人たちをサポートする方法を今後考えていかなければならない.
    急性期の呼吸リハは呼吸リハの新たなチャレンジとして重要な意味をもつ.この領域は理学療法士を専従化することによって,呼吸管理に特化した新たな専門職種を生み出すことも可能と思われる.
ワークショップV
  • 長谷川 智子, 辛島 隆司
    原稿種別: ワークショップ
    2013 年 23 巻 2 号 p. 165
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
  • ――現状と今後に向けた取り組み――
    竹村 美勝
    原稿種別: ワークショップ
    2013 年 23 巻 2 号 p. 166-168
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    呼吸ケアの不安の抱えながら業務に取り組んでいる看護師は少なくないと考え,ICU,さらに院内呼吸ケアの質向上を図りたいとの想いから,慢性呼吸器疾患看護認定看護師となり4カ月が経過した。この間,呼吸ケアに関する院内およびセクションの現状を把握し,ケアの質向上を目的に,ICUや看護部内で学習会を行った。
    次年度に向けた取り組みについて報告する。チーム医療では連携・協働での多角的支援を目指し,チームでのコーディネーターやファシリテーターとしての役割を果たしつつ,患者・家族の代弁者としてメンタルヘルスのサポートをしていきたい。大学病院というフィールドの大きさを生かし,他分野の認定看護師とのネットワークを活用し,地道に焦らず,呼吸ケアの質向上を図る仲間作りを拡大し,得られた経験を将来のRST活動につなげていきたい。そして,常に周囲への感謝の気持ちと謙虚さを併せもつ認定看護師として,活動の場を拡げていきたい。
  • ──在宅酸素療法患者を支える慢性呼吸器疾患看護認定看護師の活動──
    井本 久紀, 中山 初美, 津田 徹
    原稿種別: ワークショップ
    2013 年 23 巻 2 号 p. 169
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
  • ──地域病院を支える慢性呼吸器疾患看護認定看護師の役割──
    東 雅之
    原稿種別: ワークショップ
    2013 年 23 巻 2 号 p. 170
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
  • ──医師の立場から──
    石原 英樹
    原稿種別: ワークショップ
    2013 年 23 巻 2 号 p. 171
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
  • ──呼吸リハビリテーションにおける認定看護師との連携──
    清水 浩介, 西端 若由, 中垣 恵実, 若林 聖伸
    原稿種別: ワークショップ
    2013 年 23 巻 2 号 p. 172-175
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,理学療法士の立場から,慢性呼吸器疾患看護認定看護師と集中ケア認定看護師への期待を述べる.慢性呼吸器疾患看護認定看護師には,呼吸リハビリテーションにおける理学療法士と看護師の連携支援を期待する.特に,日常生活活動の呼吸リハビリテーションを効果的に行うには両者の連携が重要であり,コーディネーターとしての認定看護師の役割は大きいと考える.集中ケア認定看護師には,体位呼吸療法を含む体位管理に関する教育活動を期待する.これには理学療法士も主体的にかかわるべきであり,今後,両者が連携して教育活動を行う予定である.
原著
  • 菊池 弘恵, 長谷川 悠子, 三宅 裕子, 大野 典子, 山根 正也, 細井 慶太, 閔 庚燁
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 176-181
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    フィルム材の鼻根部への貼付,熱吸収シートの鼻根部への貼付と白色ワセリンの非侵襲的陽圧換気療法(Noninvasive Positive Pressure Ventilation: NPPV)マスク面への塗布の3つの方法によるNPPVマスク接触部の皮膚の発赤発生率の低減効果を41例の患者を対象として一部前向き介入研究を含む観察研究で比較検討した.鼻根部の発赤発生はフィルムを貼付した20例では11例(55%),熱吸収シートを貼付した7例では4例(57%),白色ワセリンを塗布した例14例では1例(8%)であり,白色ワセリンが他の2法より有意に少なかった(p<0.05).また白色ワセリンのもつ,ずれ応力の低減性や保湿性は褥瘡予防ケアに基づいており,皮膚の脆弱な高齢者でも安全に使用できるだけでなく管理が簡便で経済的な方法であることが示された.白色ワセリンをマスクの皮膚接触面に塗布する方法はNPPVマスクによる皮膚障害を予防する方法として広く利用されることを推奨したい.
  • 星野 美香, 安藤 守秀, 早川美和子 , 岡澤 光芝, 榊原 博樹, 才藤 栄一
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 182-187
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    外来呼吸リハビリテーションに参加した慢性呼吸器疾患患者22例を対象に日本語版Seattle Obstructive Lung Disease Questionnaire(SOLQ)を用いてQuality of Life(QOL)評価し,特性を検討した.対象患者のSOLQの得点分布は平均値を中心にほぼ正規分布し,その得点は肺機能やChronic Respiratory Questionnaireの結果と相関を示した.これより慢性呼吸器疾患患者のQOLテストとしてSOLQは妥当性をもつことが示唆された.
  • 吉澤 孝之, 溝口 真美, 岩城 基, 吉澤 明孝, 赤星 俊樹, 橋本 修
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 188-192
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    禁煙治療におけるバレニクリンとニコチンパッチの効果について114名で検討した.禁煙プログラム継続率はバレニクリン群で有意に高かったが,禁煙プログラム終了時点での禁煙成功率には有意差を認めなかった.禁煙失敗にかかわる因子の解析ではバレニクリンでオッズ比(OR)が0.399(p=0.0337)と失敗する率が低く,年齢が低いほど,初診時の呼気CO濃度が高いほど失敗する率が高かった.
  • ──人間ドックデータより──
    小松 佳道, 藤本 圭作, 小松 道俊, 蜂谷 勤, 花岡 正幸, 久保 惠嗣
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 193-197
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    長野県諏訪地区の某職場において,40歳以上の職員で5年以上毎年人間ドックを受けている全職員を対象とし,スパイロメトリーを解析し経年的変化について調査した.対象者は62名(年齢:44~54歳,平均49歳,男性44名,女性18名)で,1年間の平均1秒量の減少量は,非喫煙者(n=41)で48±7.4 ml(平均±SEM),喫煙者(n=21)で81±9.1 mlであり,有意に喫煙者では経年的呼吸機能の低下が大きかった(p<0.01).また,非喫煙者では閉塞性換気障害を認めなかったが,喫煙者においては5名(23.8%)に認められた.肺年齢を計算したところ,実年齢と肺年齢の差の平均は非喫煙者で-1歳に対して喫煙者では+15歳であった.
  • ──シャトルウォーキングテストによる運動耐容能の評価──
    雪田 洋介, 安藤 守秀, 進藤 丈, 安部 崇, 白木 晶, 中島 治典, 加藤 俊夫, 伊藤 元, 日比 美智子, 武藤 義和, 狩野 ...
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 198-203
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    外科的肺切除術を予定されたCOPD合併肺癌患者に対する術前評価としてのシャトルウォーキングテスト(Shuttle Walking Test; SWT)の有用性をレトロスペクティブに検討した. 2003年から2012年までの51例(男性47例,女性4例,年齢72±5歳,FEV1 1547±360ml)を対象とした.SWTの結果から算出されたpeak を用いて低リスク,中リスク,高リスクの3群に分類し,医師の裁量も考慮に入れ手術適応を判断した.肺葉切除術を予定された45例中33例,肺全摘術を予定された6例中4例に対して手術を実施した.合併症は2例認め低リスク群の1例が術後HOTを要し,中リスク群の1例が術後急性右心不全,致死的不整脈にて死亡したが,いずれも術前の予測範囲内の経過であった.COPD合併肺癌に対する外科的肺切除術の術前リスク評価にSWTは有用であり,しかも広いスペースや特別な道具を必要とせず広く一般施設で実施可能であり今後さらなる普及が望まれる.
  • ──包括的支援チームの結成と専門外来の開設──
    岸 雅人, 佐内 文, 尾熊 洋子, 石月 亜由美, 石田 英恵, 石井 俊夫, 寺田 千代美, 小松 友子, 杉山 清子, 稲瀬 直彦
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 204-209
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    三島社会保険病院は静岡県三島市の中核病院である.2009年度より呼吸器内科医師と理学療法士,看護師,管理栄養士等で構成される包括的呼吸リハビリテーション支援チームを結成し,同時に呼吸リハビリテーション専門外来を開設した.呼吸リハビリテーションプログラムは,評価,運動療法,教育・指導(病態,日常生活の注意点,栄養,服薬)を中心とし,多職種共有のパスを用いて行った.4年間の累積患者数は109名であり,COPDと間質性肺炎の患者が8割以上を占め,在宅酸素療法患者や,栄養状態不良の患者が約半数を占めた.COPD患者9名の呼吸リハビリテーション開始前後の比較では,6分間歩行時の息切れが有意に改善していた.在宅生活支援を目的として,訪問リハビリテーションや,年2回の患者会を行った.急性期から生活期までトータルでサポートする地域密着型医療を展開するために,チーム医療が必要と考えられる.
  • 西口 博憲, 後藤 英介, 坂田 典史
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 210-213
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    高齢者の急性呼吸不全の管理におけるNPPV(Noninvasive Positive Pressure Ventilation)の有用性,成否の予測因子を検討するため,NPPVを行った80歳以上の31症例を後ろ向きに検討した.高齢者においても,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease: COPD)急性増悪や心原性肺水腫では高い成功率を示し,基礎疾患の重要性が示唆された.臨床的な数値パラメーターの検討では,P/F ratio,SAPS (Simplified Acute Physiology Score)-Ⅱなどの一般的指標は有用性が低かったのに対し,血清アルブミン値がNPPV成功例で失敗群に比較して有意に高値であり,高齢者でのNPPVの成否および予後予測に重要である可能性が示唆された.
  • 中山 雅之, 坂東 政司, 関根 利江, 菊池 貴明, 黒崎 史朗, 澤田 哲郎, 中澤 晶子, 鈴木 恵理, 間藤 尚子, 山沢 英明, ...
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 214-217
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    GOLD 2011のカテゴリー分類では,気流閉塞と増悪頻度,症状(修正MRC[mMRC]質問票あるいはCAT)を用いてCOPDを4群に分類し,多面的に評価することが求められている.症状の評価では,mMRCグレード0-1またはCATスコア≦9がLess symptoms群,mMRCグレード≧2またはCATスコア≧10がMore symptoms群に分類される.しかし実地診療では,mMRCグレードが0-1であるにもかかわらずCATスコアが≧10となり,両スコアが乖離する症例をしばしば経験する.今回著者らは,それらが乖離を認めたCOPD症例の臨床的特徴を明らかにすることを目的とした.mMRCグレード≦1かつCATスコア≧10をDis(discrepancy)群として,mMRCグレード≦1かつCATスコア≦9のL群,mMRCグレード≧2かつCATスコア≧10のM群との比較検討を行った.Dis群は全体の約30%にみられ,咳嗽・喀痰の症状が強く,%FEV1はL群とM群の中間に位置し,BMI,過去の増悪頻度,運動耐容能はM群よりL群に近い特徴を示した.
  • 篠田 千恵, 長澤 千和, 和田 攻
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 218-222
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    血管内皮機能が心血管イベントの発症と密接な関係があり,喫煙は血管内皮機能を障害することがこれまでにも報告されている.今回われわれは前腕の阻血前後における,上腕動脈の血管径の変化を測定するFMD(flow mediated dilatation)検査で血管内皮機能を評価し,禁煙による可逆性について検討した.禁煙外来を受診した健常成人男性を対象に,禁煙外来初診時と禁煙達成3ヵ月後に%FMDを測定し,比較検討した.禁煙前の%FMDが4.6±1.7%であったのに対し禁煙後は6.6±2.7%(p<0.01)と有意な改善を認め,%FMDの改善度とpack year,喫煙年数に逆相関がみられた.禁煙により血管内皮機能の有意な改善が期待でき,喫煙歴が短いほど,その改善効果は高いことから,早期の禁煙が心血管イベント発症を予防すると考えられる.
  • 加藤 聡之, 酒井 元生, 河野 純子, 堀江 陽子, 杉浦 幸恵, 樋渡 貴晴, 榊原 隆志, 川越 千佳
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 223-227
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    ケアマネジャー(ケアマネ)は介護保険利用の在宅酸素療法(HOT)患者のケアプランを作成し,在宅呼吸ケアの統括的役割を担う.呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)もケアプランに取り組まれるべきだが,ケアマネの呼吸リハへの認識が十分ではない現状がある.そのため呼吸リハのサービスが十分になされていない可能性もある.そこで,当院主催の在宅呼吸ケアの勉強会である「在宅呼吸ケア地域連携の会」の参加ケアマネを対象に,HOT患者の呼吸リハに関するアンケート調査を行った.その結果,ケアプランに呼吸リハを入れていたのは54.8%と約半数にすぎず,呼吸リハの知識・技量に58.3%が自信がないと回答し,69.5%は実施に不安を感じていた.呼吸リハがケアプランにて組み込まれ,適正に実施されるには,ケアマネの呼吸リハの知識獲得の機会を増やすとともに,呼吸リハにかかわる多職種連携が機能する環境作りを進める必要がある.
  • 和田 麻依子, 柏崎 純子, 須山 智子, 大西 司
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 228-233
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    呼吸器教室で歩行時のSpO2や息苦しさの変化を知り,歩行のペース,休息の取り方や運動前の短時間作用型気管支拡張薬(SABA: short acting bete2-agonist)の吸入のタイミングを学ぶことを目的に歩行体験を導入した.講義後に1周50 mの廊下を最大努力で歩行し,前後のSpO2と脈拍,Borgスケールを比較した.COPDアセスメントテスト(CAT: COPD Assessment Test)と歩行に対する思いを質問紙で調査し,患者教育における歩行体験の効果を分析した.歩行前後でSpO2が3.8%低下,Borgスケールは歩行前が平均0.5点で歩行後が平均2点であった.質問紙では「歩行後に苦しくなった」「酸素が考えていたより下がって驚いた」等の回答があり,SpO2が低下しても自覚症状が乏しいことやSpO2の低下や脈拍の上昇からgradeⅢ以上では運動前のSABAの使用や酸素投与の必要性が示唆された.限られた時間内での歩行体験や参加者の要望に沿った講義を実施し,自己管理能力が向上できるような教室を開催していくことが今後の課題となった.
  • ──分類方法の特性──
    森野 陽, 高橋 弘毅, 石合 純夫
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 234-240
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】特発性肺線維症(IPF)について,生命予後をアウトカムにしたさまざまな分類が報告されているが,その多くはADL,健康関連QOL(HRQOL)について比較していない.本研究はIPFの分類方法ごとに,運動機能,ADL,HRQOLを比較することを目的とした.【方法】外来通院中の安定したIPF患者を対象とし,厚生労働省特定疾患認定基準における重症度分類,mMRC,GAP stage,それぞれにおいて2群に分け,大腿四頭筋筋力,6MWT,ADL,HRQOLを比較した.【結果】いずれの分類方法で比較しても,大腿四頭筋筋力には有意な差を認めず,6MWDには有意な差を認めた.ADLは,mMRCおよびGAP stageで比較した場合に,HRQOLは,mMRCで比較した場合に有意な差を認めた.【結論】検査値より自覚症状で分類し比較したほうが,ADL,HRQOLに差が出ることが明らかになった.
  • ──Netter pink pufferの重要性──
    塩谷 隆信, 佐竹 將宏, 進藤 勉, 佐藤 一洋, 佐野 正明, 齊藤 元, 川越 厚良, 菅原 慶勇, 高橋 仁美, 平野 義則, 伊藤 ...
    原稿種別: 原著
    2013 年 23 巻 2 号 p. 241-248
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2016/01/26
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:COPDにおける胸部CTによる気腫性病変評価と,気腫性病変と身体組成,運動耐容能および健康関連QOLとの関連を明らかにすることを目的とした.
    対象および方法:市立秋田総合病院呼吸器内科通院中の安定期COPD患者32例(男性30例,女性2例,平均年齢76.6歳,body mass index(BMI)21.4,FEV1/FVC 46.0%)を対象とした.胸部CT上の低吸収領域(LAA)をGoddard法およびThurlbeckスタンダードパネルを用いスコア化し,身体組成,運動耐容能,健康関連QOL(CRQ)の各指標と対比した.
    結果:パネルCTスコアと%ideal body weight(%IBW)には,偏相関係数が-0.505で有意な負の相関がみられた.パネルCTスコアは,低体重,標準体重,過体重に3群間で有意差が認められ,低体重群でパネルCTスコアが最も大きかった.パネルCTスコアと大腿四頭筋力,健康関連QOLの各スコアには有意な相関が認められた.
    結論:安定期COPD患者では,気腫性病変の広がりと体重には有意の負の相関関係があり,体重が低いほど気腫性病変が多く,Netter pink pufferの臨床的な重要性が改めて示唆された.
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