日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウムII
在宅酸素療法導入期のCOPDの管理
──呼吸リハビリを通した医療連携──
力富 直人
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2013 年 23 巻 2 号 p. 138-144

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抄録
COPDが進行した状態では低酸素血症と呼吸困難によりADL,QOLが低下する.これを改善するには薬物治療以外に長期の酸素療法(わが国では在宅酸素療法)や呼吸リハビリテーション(呼吸リハビリ)が有用である.在宅酸素療法導入に際しては酸素業者のみならず医師,看護師,理学療法士,介護スタッフ,家族など多面的な協力が求められ,そのためには他施設,多職種の連携が必要である.在宅呼吸ケア白書によれば呼吸リハビリの普及,在宅でのADL向上,在宅酸素療法の充実が患者の要望であるが,実際には在宅呼吸ケアは進んでいないのが現状である.当院では開院以来,在宅酸素療法患者の治療や呼吸リハビリ,ケアを入院,外来,通所リハビリ,訪問を通して行っており,他医療機関の患者も受け入れて一定の成果を上げてきた.しかし当院を受診する呼吸器病患者の居住するエリアは県内外と広く,一医療機関でできることには限界があるため,他医療機関と連携してきた.呼吸リハビリに関しては,全国的に実施できる施設の情報を開示し,患者が容易にそれを利用できるようにすべきである.
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© 2013 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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