抄録
2週間の短期入院呼吸リハビリテーションに退院後の訪問看護ステーションを中心とした継続支援を組み合わせた包括的呼吸リハビリテーションプログラムを実施した肺結核後遺症患者18名(年齢75.5±6.9歳,男性8名,女性10名)のプログラム開始後2年間の呼吸機能,運動能力,ADL,健康関連QOLの変化を後方視的に分析した.その結果,プログラム開始時と比較して1年後のADL,健康関連QOL の一部に有意な改善が示され,有意差はないものの運動能力に改善傾向を認めた.また,2年後では呼吸機能の一部に有意な低下を認めたもののADLは有意な改善を示したままであった.そのため,2週間の包括的呼吸リハビリテーションによる重点的な教育や指導と訪問看護ステーションを中心とした在宅でのプログラム継続支援および呼吸ケアの提供が肺結核後遺症患者のADL改善を中心とした効果の長期維持に有用な可能性が示唆されたと考える.