慢性換気不全では,長期酸素療法下に高CO
2血症が進行していく.その機序の一つに生理学的適応ともいえる呼吸中枢の高CO
2血症を許容していく過程(chronic permissive hypercapnia)が考えられる.高CO
2血症がさらに進行すると,この生理学的適応は破綻し,非侵襲的換気療法(non-invasive positive pressure ventilation: NPPV)等の換気補助が必要となる.生命予後にとって,長期NPPV 導入数ヵ月後のPaCO
2が60 mmHg 以下になることと導入後のPaCO
2の経年的変化率が抑制されることの重要性が明らかになりつつある.一方,拘束性胸郭疾患では血液ガス以外に換気モードとしてT モードの使用が予後改善に寄与することが示されている.
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