抄録
横浜市西部地域では,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の治療を専門医,非専門医が協力して行っている.地域連携パスを用い,十分に自己管理を行える患者を,専門医から実地医家(呼吸器標榜医および非標榜医)に依頼した.2010年4月から2012年3月の間に連携パスを用いた患者は,気管支喘息のべ235名,COPDのべ95名で,依頼施設総数は107施設であった.喘息患者の1年再受診率は呼吸器標榜医で1年目69.2%,2年目72.9%,呼吸器非標榜医で1年目51.5%,2年目63.1%であり,COPD患者の再受診率は呼吸器標榜医で1年目92.3%,2年目94.1%,呼吸器非標榜医で1年目47.8%,2年目66.7%と2年目で増加した.呼吸機能を測定した喘息患者137名では,標榜医,非標榜医ともに1年後の%FEV1が有意に改善し,COPD患者58名では標榜医,非標榜医ともに%FEV1の低下はなかった.