日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウムVI
急性呼吸促迫症候群
──画像とバイオマーカーからの病態評価──
藤島 清太郎
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2014 年 24 巻 2 号 p. 220-227

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抄録
急性呼吸促迫症候群(ARDS)は,種々の原因や基礎傷病に続発して急性に発症する非心原性肺水腫であり,2012年には新たな定義が公表された.
画像診断に関し,Berlin定義では,より詳細な両肺野浸潤影の確認が求められており,最終的に明記はされなかったものの,CTによる評価を推奨している.CTは心原性肺水腫を初めとする類縁疾患との鑑別にも有用であり,診断上必須の検査といえる.他の画像検査として,最近超音波検査が注目されているが,いまだ発展途上で有用性は確立されておらず,今後の検証が必要である.
一方,ARDSのバイオマーカーとしては,サイトカイン/ケモカイン,可溶性接着分子,好中球由来物質,凝固・線溶系因子DAMPsなど,さまざまな物質が報告されている.しかし,臨床の場で長期予後や重症度,治療反応性の予測に活用しうるまでにはいたっていないのが現状である.
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© 2014 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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