抄録
急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome: ARDS)はその発症頻度や致死率が高いにもかかわらず,これまで有効な治療法,特に生命予後を改善しうるような薬物療法の報告はない.本稿ではARDSに対する近年の大規模無作為臨床試験の結果および,現在,臨床試験が進行・計画中の薬物療法についてまとめる.また今後期待される治療法の一つとしてポリミキシンB固定化線維(PMX)カラムによる血液浄化療法を取り上げる.ARDSと同様に病理組織学的にびまん性肺胞障害(diffuse alveolar damage: DAD)を呈する特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis: IPF)の急性増悪に対して酸素化や予後の改善などの有効性が報告されており,厚生労働省先進医療の認定を受けている.