日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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教育講演VI
呼吸リハビリテーションの新展開
──身体活動の向上を目指して──
塩谷 隆信佐竹 將宏照井 佳乃佐藤 瑞騎岩倉 正浩大倉 和貴川越 厚良菅原 慶勇高橋 仁美
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2014 年 24 巻 2 号 p. 237-245

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抄録
身体活動とは,日常生活活動と運動を合わせたものである.身体活動は,安静レベル以上のエネルギー消費にいたる骨格筋の活動によってもたらされるすべての身体的の動きであり,運動,家事や仕事などあらゆる活動が含まれる.
COPD患者では軽症であっても日常生活における身体活動が低下しており,身体活動は生存率とも深く関連していることが明らかになってきている.呼吸リハビリによる身体活動の向上に向けては,種目内容,運動強度・頻度,教育内容,実施期間などを明示したうえで,それぞれ具体的に実施されなければならない.3軸加速度計を用いた評価法の有用性が報告されているが,より簡便で客観的な評価方法の確立が望まれる.
COPD患者においては十分な薬物療法を行い同時に呼吸リハビリが実施されなければならない.今後,このような呼吸リハビリが普及することにより,COPDにおける身体活動が大きく向上し,ひいては健康関連QOLと生存率の改善につながることが期待される.
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© 2014 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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