日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
呼吸同調装置使用による6分間歩行試験の生理学的パラメーターに対する影響
高尾 聡浅居 悦子小松 優子桑原 陽子福田 珠里山根 主信多門 大介吉田 直之工藤 翔二上武 智樹加藤 大輔
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2014 年 24 巻 2 号 p. 263-267

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抄録

在宅酸素療法(home oxygen therapy: HOT)では携帯用酸素ボンベの使用時間を延長させるために,呼吸同調装置を併用して吸気時に酸素供給を行う同調式が一般的である.しかし,院内で使用される医療用酸素ボンベのような吸気,呼気に関係なく酸素が供給される連続式と比較すると,経皮的酸素飽和度(SpO2)の値が同調式で低くなることを経験する.今回,慢性呼吸器疾患患者20名に対し,携帯用酸素ボンベを使用しての6分間歩行試験(6 minutes walking test: 6MWT)を連続式と同調式で行った.その結果,同一酸素流量においてSpO2の平均値・最頻値・最高値・最低値が同調式で有意に低かった.HOTを処方する際には,呼吸同調装置を取り付けた携帯用酸素ボンベを用いたうえで労作時のSpO2の測定および酸素流量の設定を行うことが望ましい.

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© 2014 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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