日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
ワークショップⅢ
小児の排痰法
木原 秀樹
著者情報
キーワード: 小児, 排痰法, EzPAP, IPV
ジャーナル フリー

2014 年 24 巻 3 号 p. 287-291

詳細
抄録

小児は呼吸予備能が小さく肺炎や無気肺などの呼吸障害を合併しやすい.当院での排痰のための呼吸理学療法で主に施行する手技と器具の施行割合は,2008~2013年の374例(除くポジショニング・排痰体位のみ)で,気道陽圧システム(EzPAP®使用;EzPAP):37%,スクィージング:32%,肺内パーカッション換気(パーカッションベンチレーター使用;IPV):20%の順に多かった.器具施行症例で6歳未満161例ではEzPAP:73%,IPV:22%,高頻度胸壁振動法(スマートベスト使用;SV):4%,6歳以上92例ではIPV:44%,EzPAP:23%,機械的陽圧陰圧療法(カフアシスト使用;MAC):18%の順で多く,年齢別で器具の使用割合が変化していた.6歳未満での症例は先天性心疾患術後:49%,肺炎・無気肺等:22%,胸部外科術後:11%,無気肺部位は右上葉:31%,左下葉:26%,右下葉:14%の順に多かった.私見として,小児では,呼吸理学療法施行により啼泣したり,緊張すると,気道が細くなりやすく,胸郭も硬くなりやすい.そうなると肺に空気が入りにくくなり,痰も出にくくなる.排痰のための呼吸理学療法は,児が快適な状態で受けられるのが,最も換気を改善し排痰を促すと考える.

著者関連情報
© 2014 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top