日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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教育講演IV
吸入療法のABC
玉置 淳
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2015 年 25 巻 1 号 p. 47-52

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抄録

吸入療法では薬剤が局所に高濃度かつ急速に到達するため,経口投与に比較してより高い薬理作用と迅速な効果発現が期待できるのみならず,全身的な副作用が少ないというアドバンテージがある.吸入された粒子の肺への沈着は,粒子径,比重,親水性,荷電などの他,吸入操作や呼吸機能によって規定される.喘息やCOPDの長期管理における吸入療法では,MDI, DPI, SMIなどのデバイスを用いてβ2 刺激薬や吸入ステロイド, 抗コリン薬,それらの配合剤などが投与される.しかし,これら慢性気道疾患のコントロールは必ずしも良好とはいえず,その要因の1つに患者の服薬アドヒアランスが低いことが挙げられる.したがって,疾患コントロールの向上を目的とした対策として,患者教育とならんで,病診連携や病薬連携による丁寧な吸入指導が必須である.

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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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