抄録
増悪で入院したCOPD患者は,運動・薬物・酸素療法,等の様々な教育をうけるが,退院して間もなく増悪し再入院することは少なくない.その背景として,高齢化に伴う認知機能の変化や介護力,患者の歴史の中で作り上げてきた価値観などが考えられる.訪問看護は,医療的側面だけでない生活者として患者の全体を捉え,病院での教育内容を引き継ぎ共有しながら,患者及び家族の生活に合うように医療・介護の調整を行い,退院後の生活の再構築を目指すことが役割としてあげられる.そのための具体的な方法には,患者の希望する生活に沿った活動の維持・拡大,薬物療法,呼吸日誌やアクションプランなどを活用した増悪の早期発見と対応ができる環境づくりがあげられる.また,患者の力を最大限に引き出すとともに,病院や介護職を含む各在宅サービスと連携した支援が必要である.