日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウムIII
認定看護師の果たす役割
長谷川 智子石崎 武志浅川 久美子
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2015 年 25 巻 2 号 p. 151-153

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抄録
呼吸器疾患は喫煙や環境的化学物質への長期暴露により発症するものが多く,患者とその家族にとっては,危険因子への暴露行動が生活パターンの中に組み込まれてしまっている.そのため,呼吸器疾患を発症した患者は,まずは日常生活行動の変容を行っていく必要がある.また,慢性呼吸器疾患をもつ患者とその家族は,多岐にわたる症状や障害を持ちながら,症状コントロールや治療を生活の中に組み込み,疾患と治療をともに生きる生活パターンを作り出して行かなければならない.慢性疾患をもつ患者とその家族へのケアを考えるとき,ただ単に症状コントロールや障害を持っての生活を考えるだけにとどまらず,病気の慢性的状態がもたらす問題の多様性・多面性・複雑性を考慮し,患者と家族の人生や価値観の深い部分まで踏み込んで考えなければならないといわれている1).そのケア提供の中心的存在となり得る存在が,患者・家族の生活にもっとも近い看護師であるといえよう.
慢性呼吸器疾患看護認定看護師は,安定期はもとより,増悪期や終末期においても身体的問題に加え,心理的,社会的,スピリチュアルな問題を理解した上で,問題解決のための援助ができる看護師であると期待されている.また,看護活動の範囲も,患者・家族に対する直接ケアや教育介入にとどまらず,禁煙指導を始めとする予防活動や呼吸リハビリテーションなどの回復期の援助にも広がっており,病棟・外来・リハビリテーション・訪問看護ステーションなど多岐にわたる部門での活動が期待されている.本シンポジウムでは,様々な部署での認定看護師の活動を紹介する.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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