抄録
急性呼吸不全の呼吸管理をいかに選択するかについては,まず病態や重症度を適切に把握することが重要である.近年改訂されたARDSの診断基準であるBerlin定義では,適切な呼吸管理のもとに酸素化を評価することが重要視され,またその重症度に基づいて呼吸管理戦略を用いることが提唱されている.全体を通じて重要なのは低1回換気量と適切なPEEPであるが,軽症例においては非侵襲的人工呼吸が重要であり,重症例については腹臥位,高頻度振動換気,膜型人工肺など様々なものが提示されている.また近年では,軽症例についてはネーザルハイフローにも注目が集まっている.重要なのは様々な呼吸管理を状況に応じて適切に使い分けていくことである.