日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
シンポジウムII
大都市総合病院入院COPD患者の特徴と呼吸管理の実態
蝶名林 直彦中岡 大士岡藤 浩平北村 淳史冨島 裕仁多 寅彦西村 直樹
著者情報
キーワード: COPD, 総合病院, BMI, NPPV, HOT
ジャーナル フリー

2015 年 25 巻 2 号 p. 188-192

詳細
抄録
Nice studyにて日本全体のCOPDの潜在的患者数を含めた総患者数がある程度予測されたが,COPD患者の日本国内の各地域での実態については,人口密度の違い,都市部か山村か,また各地方での気候や生活様式等によりかなりの影響を受けると考える.
今回,都市部の主に急性医療を担当する当院においてCOPDの入院実態を調査した.過去3年間の全入院回数は475回であったが,呼吸器内科のみに絞ると再入院例を含めて281回となり,そのうち初回入院のみを抽出すると198回(例):男女163/35,平均年齢75.9歳,入院期間21.4日であった.重症度ではstageⅡ+Ⅲが62%を占め,BMIは18.5 kg/m2 以下が75例(38%)を占めていた.合併症では肺炎を含む呼吸器感染症99例(50%)と高く,心疾患・肺癌が続いた.全例の平均の入院回数は2.19±1.69回であったが,呼吸器内科のみで悪性腫瘍合併を除いた90例について,調査期間中の単回入院と複数回入院例とで重症度(stage)・栄養状態(BMI)を比較したがその分布に特に有意差は認めなかった.呼吸不全に対する初期治療では人工呼吸管理33例(17%)〔NPPV26例,挿管7例〕,酸素療法124例(63%)であったが,退院後の在宅NPPVは4例のみであるが,HOTは32例(16%)に行われていた.
著者関連情報
© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top