抄録
COPD患者にとって,急性増悪は致死率が高く,著しくQOLを損じる病態である.COPDの医療費のほとんどを急性増悪による入院費が占める.重症から超重症のCOPD患者を支える在宅療養支援診療所で,急性増悪に至る手前の,自己コントロール域より逸脱した呼吸状態の変化を捉え,アセスメントし,必要な包括的COPD呼吸ケアの介入がなされ,真の慢性安定期が導き出せれば,あまり急性増悪は起こらなくなる.そしてCOPD患者のQOLが高く保て生命予後が改善し,良好な医療経済効果を生むことは間違いないと思われる.しかし全てが患者自身の生活に即したpurpose driven pulmonary care(目的に導かれた呼吸ケア)であるべきと思う.