日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
シンポジウムII
呼吸器専門病院でのCOPD
――慢性呼吸器疾患看護認定看護師の立場から――
井本 久紀中山 初美加賀 美由旗津田 徹
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 25 巻 2 号 p. 202

詳細
抄録
当院は一般病床69(10:1看護,平均在院日数18日)であり,入院患者の90%以上が慢性呼吸器疾患である.また,4床の睡眠PSG検査室を持ち,睡眠呼吸障害だけでなく,非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)のタイトレーションなどにも対応している.平成24年度における当院のCOPD患者数は271名であり,在宅酸素療法(HOT)を行なっている患者数は80名,在宅でNPPVを行っている患者数は21名である.入院回数はのべ111件.このうち増悪によるものが39件(治療日数:最短10日・最長189日・平均54.8日),呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)目的が30件(治療日数:最短9日・最長184日・平均61.2日)であった.HOT患者80名中の20名(25%)が急性増悪で入院.一方HOTなし患者の増悪は16名(約8%)であるが,この内5名が増悪を契機にHOT導入に至っている.呼吸リハビリ入院を行った患者の退院後の増悪件数はOである.慢性呼吸器疾患看護認定看護師(CN)としての活動は平成24年7月より開始,まずはHOT患者宅への訪問を行い,HOT機器,NPPVの設定・マスクフィッティング,吸入指導や家庭環境などの問題点の洗い出しと情報の集約をCNで行い,病棟看護師~訪問看護師の連携がスムーズに行えるようにした.病棟内では,NPPV専従夜勤枠を確保し,夜間のマスクフィッティングや設定変更に対応できるようにした.COPD増悪の原因をとらえ,アクションプランを作成することで増悪の重症化を防ぐことができる.今後はさらに,HOT看護外来を開設し,家族のサポート状況や経済状況・就労状況をも考慮した,個別的で実践的なアクションプランへの見直しや電話サポートの充実などを目指していきたい.
著者関連情報
© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top