日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
安定期慢性閉塞性肺疾患患者における最大歩行速度の規定因子と予後予測指標との関連
髙橋 佑太川島 拓馬廣田 千香木村 雅彦関根 一真高橋 太郎原口 水葉原田 尚子宮尾 直樹
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2015 年 25 巻 2 号 p. 218-221

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抄録
【背景】最大歩行速度(MWS)は,歩行能力の評価指標としてだけでなく,高齢者の予後予測指標としても有用であり,健常者では下肢筋力やバランス能力の影響を受ける.一方,COPD患者のMWSの規定因子は明らかでなく,呼吸機能低下や呼吸困難が影響するとの報告が散見される.本研究では,COPD患者のMWSについて,身体機能を含めた規定因子の検討とCOPDの予後予測指標との関連を検討した.【方法】対象はCOPD患者40例とし,BMI,mMRC,%FEV1,膝伸展筋力,片脚立位時間,MWS,6分間歩行距離,BODE index,ADO indexを評価した.【結果】重回帰分析の結果,MWSの規定因子にmMRCと片脚立位時間が抽出された.MWSはBODE,ADO indexと有意な相関を認めた.【考察】COPD患者のMWSは呼吸器症状と身体機能低下の影響を受け,予後予測指標としても有用である可能性が示された.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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