抄録
当院ICUは,独自の人工呼吸器ウィーニング評価表(以下評価表)を作成し,看護師がアセスメントを実施している.どのような条件下で人工呼吸器離脱が行われているかを調査し,当院ICUの人工呼吸器離脱前の呼吸状態の現状を明らかにした.対象は人工呼吸器から離脱可能であった患者76名.評価表を用いて,1回のみのウィーニング評価後に離脱できた群(以下離脱群)と2回以上のウィーニング評価後に離脱できた群(以下非離脱群)に分け,評価表項目の内容を比較した.Rapid shallow breathing indexの平均は,離脱群,非離脱群とも約45前後であり,有意差はみられなかった.意識レベルが低く,粘稠度の高い痰があり,PaCO2の蓄積した患者は,非離脱群に多く認められた(P<0.05).ウィーニング成功のポイントは,人工呼吸器離脱前の意識レベルの改善,粘稠痰の改善,PaCO2上昇を回避するケアにあると考える.今後,看護師主導の離脱の実現に向けて,安全なウィーニング評価が実践できる体制づくりが必要である.