日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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研究報告
脳血管回復期病棟における誤嚥性肺炎予防を目的としたリスク診断スケールの作成
五十嵐 幸広安野 仁新田 俊介福村 直毅
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2015 年 25 巻 2 号 p. 286-290

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抄録
肺炎発症は脳血管疾患の回復阻害因子となる.当院では呼吸リハビリテーション委員会(以下呼吸リハ委員会)を組織し,誤嚥性肺炎予防を目的に活動したところ回復期病棟における過去5年間の肺炎発症率は0.7%と低値を示している.呼吸リハ委員会では呼吸機能評価と経験を基に誤嚥性肺炎リスクを診断し,重症度別に介入計画を立案施行していた.そのため統一した基準の診断ではなく,経験の乏しい検者では判断に苦慮するものであった.
そこで今回,誤嚥性肺炎発症リスクの重症度診断基準を作成するために,入院時呼吸機能評価の結果を後方視的に分析し,主観的な判断から客観的な指標の抽出を試みた.その結果,「肺炎既往」「日常生活動作自立度」「嚥下機能」「呼吸数」が感度73.1%,特異度92.6%と高い値を示した.この結果を基に医療指標を作成したことで,経験の乏しい検者であっても誤嚥性肺炎のリスクを診断できると考える.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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