日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
慢性期COPDに対する非侵襲的陽圧換気(NPPV)療法の実態調査
立川 良室 繁郎谷澤 公伸小賀 徹三嶋 理晃陳 和夫非侵襲的換気療法研究会
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2015 年 25 巻 3 号 p. 389-394

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抄録
海外では高い吸気圧を用いた長期NPPV(非侵襲的陽圧換気)療法が重症COPD患者の予後を改善することが示されたが,本邦COPD患者の病態は,欧米とは異なると推定されるため,本邦独自のエビデンスが必要である.われわれは,本邦の安定期COPDに対する長期NPPV療法の実態把握のためアンケート調査を行い,全国の30施設から回答を得た.97%の施設が現在の長期NPPV導入基準を妥当と回答し,PaCO2が 55-60 mmHgで導入を考慮し,PaCO2の10%程度の低下あるいは絶対値で55 mmHg前後を目指す施設が多かった.各施設のIPAPの標準的設定の中央値は 12 cmH2O,EPAPは 5 cmH2Oであり,バックアップ呼吸回数は夜間の自発呼吸回数と同等以上が大半であった.本邦においては比較的低い吸気圧で,目標とするPaCO2の低下が達成できている可能性があるが,その設定の基準や妥当性については今後の検討が必要である.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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