抄録
呼吸管理において安全を高めるには,質の高い診療を提供することであるが,そのためには「臨床指標」によるアウトカム評価を継続的に行うことが重要である.例えば人工呼吸器関連肺炎(VAP)の対策として『VAPバンドル』がどれくらい遵守されているか,VAPの発症率をサーベイランスで評価しているか,などが臨床指標の一つといえる.一方呼吸管理に対して医療スタッフが抱いている漠然とした不安を払拭し,積極的に呼吸管理に関わるような行動変容を誘導する方法としては『教育』が必須であり,そのためのシステムを構築する必要がある.多職種によって形成されるRSTをはじめとした医療チームが中心となって介入することで,密度の高い効果的な教育手法を提供することができるだろう.