日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
原著
CPAPのオート処方に必要な精度と設定に関する知見の検討
二宮 依里奈斎藤 拓志辰己 佳子村下 留美堀 龍太土田 幸弘福家 聡
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 26 巻 2 号 p. 225-232

詳細
抄録

OSAS治療におけるオートCPAPの信頼性の限界を検証した.93人全体ではオートCPAPの呼吸イベント検出能はPSG判定と良い相関(r=0.85)があるが,39%を占めるオートCPAP判定AHI≧5の患者の44%でPSG判定AHIが10/h以上あり,呼吸イベント(低呼吸)見落としは3.5%あった.エアリークや口呼吸・嚥下・深呼吸・げっぷ等が誤認の原因となり得た.CC+TM等の圧緩和機能で中枢型イベントが悪化した.以上の経験から設定した最適条件での63人の治療効果を過去の固定圧CPAP患者93人と比較すると,オート平均圧 6.9±0.3 cmH2Oは固定圧の 10.0±0.2 cmH2Oより有意に低かったが,AHIは 5.0±0.6/h対2.6±0.3/hで有意に悪かった.しかしその差はわずかであり開口等の管理が出来れば今回使用したオートCPAPの信頼性は高いが,一定条件では見落としを防ぐためにPSGでの確認を要する.

著者関連情報
© 2016 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top