日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
石巻地域COPDネットワーク(ICON)における教育効果のCOPD増悪に及ぼす影響
阿部 なつみ宮本 恵子両角 和恵千葉 史髙橋 純子小林 誠一矢内 勝
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2016 年 26 巻 2 号 p. 285-290

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抄録

石巻地域COPDネットワーク(以下ICON)では,COPD増悪の予防と早期対応を目的とした患者教育を行っている.ICON導入による1)COPD増悪予防効果,2)増悪に影響する因子に関して検討した.

方法:ICON登録患者の363名を対象とし,ICON導入前後1年間の増悪回数と増悪に関連する因子(対象と方法を参照)を後方視的に調査した.増悪回数は,全増悪・外来治療を要した増悪・入院治療を要した増悪に分類し比較した.

結果:外来治療を要する増悪は増加したが,入院治療を要する増悪は減少した.患者の疾患・薬剤・喫煙に関する知識量と,BMIが増悪に関連した因子だった.

考察:ICONのアクションプランでは,増悪時の早期受診を指導している.この結果,外来治療を要する増悪は増加したが,入院治療を要するような重症増悪は抑制できたと考えられる.また,ICON教育プログラムにより疾患理解などセルフケア能力を高める事が,重症増悪の減少に有用である可能性が示唆された.

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© 2016 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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