日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
COPDにおけるうつ病性障害合併とうつ治療による呼吸困難の改善
原 千陽佐藤 英夫村松 周子淺田 美咲伊部 亜紀子水澤 満智代山口美沙子
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2016 年 26 巻 2 号 p. 291-296

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抄録

【背景と目的】慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)は全身の併存症による病態の悪化にも注意が必要であるが,さらに不安や抑うつを高率に合併することが指摘されている.そこで,Patient Health Questionnaire-9(以下PHQ-9)を用いてうつ病性障害の合併に関して検討した.

【対象と方法】定期通院している88例の患者を対象として,COPDアセスメントテスト(以下CAT)とPHQ-9を実施した.

【結果】27例,30.6%にうつ病性障害の合併が疑われた.26例はCATスコア10以上のグループであった.うつ病性障害合併群は有意にCATスコアが高く,より増悪頻度が多かった(ハイリスク).睡眠薬の服用頻度はうつ病性障害合併群で50%あった.呼吸リハビリテーションと抗うつ薬の処方により呼吸困難の軽減が得られた症例を経験した.

【結語】CATスコアが高値である場合,COPDの病態悪化以外にうつ病性障害の合併も念頭に入れる必要がある.呼吸リハビリテーションや薬物療法の他に,患者とのコミュニケーション機会の増加や訪問看護等の活用も,不安や抑うつの軽減に寄与すると考えた.

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© 2016 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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