日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
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総説
在宅に向けた自己管理教育
若林 律子
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2017 年 26 巻 3 号 p. 446-450

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抄録

慢性疾患では,疾患増悪に関わる生活習慣を改善し,健康維持・改善のために運動療法や栄養療法など取り入れ,自己管理を継続していかなければならない.増悪を起こした患者は増悪を繰り返すといわれており,増悪入院をした患者へは,在宅で疾患を自己管理できるよう増悪予防を含めた教育を行う必要がある.自己管理教育では,知識・技術の提供だけではアウトカムは改善しない.患者がなぜ,増悪を起こしてしまったのか,自己管理継続に障害となる要因があるかなどのアセスメントを行いながら一人ひとりに合った自己管理教育が行われることが望ましい.また,自己管理教育を進めていく上では,「患者のできる」体験を増やし,自己効力感を得られるよう関わっていくことが重要である.患者自身の生活は,さまざまな要因によって変化していくため,その都度,よりよい生活を送れるようさまざまな方法を一緒に模索しながら,実施していくことが必要となる.

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© 2017 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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