息切れ(呼吸困難)により身体活動性の低下と全身の廃用性変化の悪循環となる.呼吸器疾患の骨格筋の廃用性変化は少なくとも一部は可逆的であり,運動療法を中心とする呼吸リハビリテーションが有効である.ただし,一般に効果は一時的で,維持は容易ではない.骨格筋のバイオロジーについての理解が進んだこともあり,身体活動性が運動耐容能よりも生命予後に関係するとして注目を浴びている.運動耐容能が能力指標であることに対して,身体活動性は,いわば,生活習慣そのものである.したがって,その向上と維持のためには,行動変容を導く動機付けや強化といった行動科学的なアプローチが必要である.歩数計の毎日の記録,スポーツイベントなどの試み,など身体活動性に対するアプローチが今後注目を浴びていくことになると思われる.