2017 年 27 巻 1 号 p. 15-19
我々は,COPD患者と間質性肺炎患者における運動耐容能評価法の有用性と高強度運動療法の効果を検討した.運動耐容能の評価は6分間歩行テスト(6MWT)や漸増シャトルウォーキングテスト(ISWT),定常負荷試験,心肺運動負荷試験などがある.COPD患者に対するISWTの最大運動能力評価法の妥当性を報告し,COPD患者100例により6MWTとISWTによる最高酸素摂取量の推定式を作成した.さらに別のCOPD患者104例に対し,前述の4種の運動負荷試験を測定し,最低SpO2が強く現れたのは6MWTとISWTであった.終了時の呼吸困難感と下肢疲労感が一番強いのは,定常負荷試験であった.
COPD患者57例に対する高強度運動療法を,10週間の短期効果と1年間の長期効果を検討した.6分間歩行距離や息切れ,健康関連QOLの改善を認めた.また,間質性肺炎患者に対する高強度運動療法の効果を検討し,COPD患者と同様に改善を認めた.COPD患者と間質性肺炎患者に対する運動療法の効果判定では,運動耐容能の指標の中で運動持続時間の反応性が最も優れていた.