本研究は終末期COPD患者への緩和ケアの実践状況を明らかにし,ターミナルケア態度,困難感との関連性を検証した.COPD患者を看護する看護師159名に無記名質問紙調査を実施した.アセスメントの実施率は呼吸困難,咳嗽,不安で高く,非薬物療法では体位・生活動作の工夫,日常生活の調整,呼吸リハビリテーション,環境整備などが実施されていた.緩和ケア院内研修の受講歴は,ターミナルケア態度,困難感尺度の患者・家族を含めたチームとしての協力・連携,治療・インフォームドコンセント,環境・システムで,看取り経験は困難感尺度の看護職の知識・技術,COPD患者看取り経験では患者・家族を含めたチームとしての協力・連携,治療・インフォームドコンセントで有意差を認めた.以上のことから,緩和ケアの研修を行い,スタッフの困難感を取り除き,ターミナルケア態度を高めることにより,COPDの緩和ケアを確立していく必要がある.