日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
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原著
慢性閉塞性肺疾患患者の終末期における看護師の緩和ケア実践に関する調査
久宗 真理下西 みずえ松井 美帆
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2018 年 27 巻 2 号 p. 174-179

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抄録

本研究は終末期COPD患者への緩和ケアの実践状況を明らかにし,ターミナルケア態度,困難感との関連性を検証した.COPD患者を看護する看護師159名に無記名質問紙調査を実施した.アセスメントの実施率は呼吸困難,咳嗽,不安で高く,非薬物療法では体位・生活動作の工夫,日常生活の調整,呼吸リハビリテーション,環境整備などが実施されていた.緩和ケア院内研修の受講歴は,ターミナルケア態度,困難感尺度の患者・家族を含めたチームとしての協力・連携,治療・インフォームドコンセント,環境・システムで,看取り経験は困難感尺度の看護職の知識・技術,COPD患者看取り経験では患者・家族を含めたチームとしての協力・連携,治療・インフォームドコンセントで有意差を認めた.以上のことから,緩和ケアの研修を行い,スタッフの困難感を取り除き,ターミナルケア態度を高めることにより,COPDの緩和ケアを確立していく必要がある.

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© 2018 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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