2018 年 27 巻 2 号 p. 180-184
【背景と目的】閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)における,自宅での簡易睡眠検査(OCST)が普及しているが,PSG結果(AHI)との解離が課題である.そこで当院の診断精度を検討し,臨床的に問題となる解離例の特徴を解析した.
【対象と方法】当院でOCSTとPSGを行った195症例のOCST結果(REI)と,AHIを比較検討した.
【結果】REIとAHIに相関を認めた(r=0.83, P<0.01)が,REIが低値の傾向を認めた.臨床的に問題となる5≦REI<20におけるAHI≧20の例が35%認められ,この群では年齢が高く,男性が多く,最低SpO2が低く,3%ODIが高かった.
【結語】OCSTでは過小評価される傾向を認め,またREI<20でもAHI≧20となる例も存在することから,眠気の自覚症状のみならず,年齢・性別・SpO2等も考慮して総合的にPSGを判断されるべきであると考える.