2018 年 27 巻 3 号 p. 245-251
わが国は,平均寿命,高齢化率,高齢化スピードの3点において世界一の超高齢社会である.超高齢社会では重複障害という新たな課題に直面している.その中でも呼吸器機能障害と心臓機能障害のような内部障害の重複や,呼吸器機能障害と脳卒中のような内部障害と肢体不自由の合併が多い.このことは,内部障害リハビリテーションがリハビリテーション関連職種の精通すべき基本領域になったことを意味している.重複障害時代のリハビリテーションを担うには,各臓器に特異的な問題とともに,脳・心・肺・骨関節などの臓器連関を考慮することが必要である.そのためには,呼吸リハビリテーション従事者は循環・腎・呼吸・代謝疾患の病態生理と障害,心電図,呼吸機能検査,血液ガスデータなどの基本的理解や心・腎・肺・脳・骨関節などの臓器連関の理解が必要である.