日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
原著
漸増的多段階負荷を用いた1日1回の吸気筋トレーニングの効果
伊東 知晃佐竹 將宏佐々木 紀葉大倉 和貴高橋 仁美塩谷 隆信
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 27 巻 3 号 p. 323-329

詳細
抄録

本研究の目的は,1日1回の漸増的多段階負荷による吸気筋トレーニング(IMT)の効果を検討することであった.健常成人28名(男性13名,女性15名,年齢20.8±1.2歳,BMI 20.8±2.1)を対象に,PImaxの30%,50%,70%負荷を順次30呼吸ずつ行う多段階負荷群(多段階群),50%PImaxで30呼吸を3セット行う一定負荷群(一定群),15%PImaxで30呼吸を3セット行う対照群の3群に分け,1日1回,4週間実施した.評価項目は呼吸機能,呼吸筋力(PImax,PEmax),呼吸筋耐久力(Ppeak,Ppeak/Plmax),運動耐容能であった.その結果,多段階群,一定群ともにPImaxとPpeakが有意に増加した.また,多段階群と一定群には差はみられなかった.1日1回のIMTは有効であり,また多段階負荷を用いることで高負荷をかけても強い疲労感がなく行えることが示唆された.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top