日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
COPD患者におけるBIA法を用いた体組成評価の有用性
国方 ちあき中村 洋之奥條 朝子三谷 真由美山﨑 昌代井上 卓哉田岡 輝久岡田 節雄
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2018 年 27 巻 3 号 p. 336-341

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抄録

安定期慢性閉塞性肺疾患患者61名を対象に歩行速度,握力とBIA法(Bioelectrical Impedance Analysis)を用いて算出した骨格筋指数(skeletal muscle index; SMI)によってサルコペニアを診断した.38例(62.3%)に骨格筋量の減少がみられ,24.6%がサルコペニア,6.6%が重症サルコペニアであった.病期の進行やBMI低下に伴い骨格筋量減少群の割合が増加したが,肥満でも27.3%に骨格筋量の減少(サルコペニア:18.2%)が認められた.血液検査では,SMIは血清プレアルブミンと有意な相関が認められた.COPD患者の栄養スクリーニングツールとしては,MNA,MNA-SFがMUST,GNRIに比べ骨格筋量の減少をより反映していた.

安定期COPD患者においては,骨格筋量の測定とMNAやMNA-SFによる栄養アセスメントの有用性が示唆された.

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© 2018 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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