2018 年 27 巻 3 号 p. 353-357
【目的】本研究の目的は,周手術期理学療法を実施した消化器外科手術後患者のせん妄発症率とせん妄発症例の特徴について明らかにする事である.
【方法】対象は当院外科にて消化器外科手術を行い,周手術期理学療法を受けた65歳以上の患者64例とした.主な調査項目は,せん妄発症率,離床進行状況などとし,せん妄発症例と非発症例で比較した.
【結果】せん妄発症数は4例(8.3%)であった.内訳は手術後1日に2例,手術後3日および4日にそれぞれ1例であった.せん妄の有無による比較では,せん妄発症群の方が併存症が多く(P<0.05),歩行開始および歩行自立が有意に延長した(各々P<0.01,P<0.05).
【結論】周手術期理学療法を実施した消化器術後患者のせん妄発症率は8.3%と低く,理学療法介入の効果が示唆された.せん妄の発症は術後4病日までであり,発症例では併存症が多く,離床進行が遅延していた.