日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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研究報告
緊急開腹術後患者の離床・歩行開始時期とADL能力・在院日数との関係
三浦 早織高山 絵里名嘉 寛之備 康平間嶋 滿
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2018 年 27 巻 3 号 p. 366-369

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抄録

当院にて緊急開腹術後に人工呼吸器装着下でICU管理となり理学療法(PT)を実施し自宅退院となった患者を対象とし,ICU入室から離床までの日数,離床から歩行開始までの日数,ICU入室から2週後のmFIM,在院日数との関係を検討した.離床から歩行開始までの日数と在院日数の間に正の相関を認め,ICU入室から離床までの日数,離床から歩行開始までの日数とICU入室から2週後のmFIM,ICU入室から2週後のmFIMと在院日数との間に負の相関を認め,ICU入室から離床までの日数と在院日数の間には相関を認めなかった.ICU入室から早期に離床を開始し,離床から早期に歩行を開始するほどICU入室から2週後のADLはより拡大し,ICU入室から2週後のADL能力が高いほど在院日数が短縮することが示された.更に,在院日数の短縮には,離床開始時期ではなく,離床を開始してからいかに早く歩行を開始できるかが影響していることが示唆された.

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© 2018 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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