2019 年 28 巻 1 号 p. 108-112
【目的】 FIM,MASA,CONUTを用いて肺炎の関連因子について検討し,さらに肺炎発症までの期間に与える影響を考慮することで,院内肺炎発症の予測の妥当性について検証した.
【対象】医療療養ならびに一般病床に新規入院した130名.
【方法】入院から1年間の追跡調査の中で肺炎発症群と未発症群とに分類して比較した.さらに発症因子の検討にはロジスティック回帰分析を使用し,調査期間における影響度の検討にはKaplan-Meier分析,Coxハザード回帰分析を行った.
【結果】130名中52名(40.0%)が肺炎を発症.要因分析の結果,MASAが有意な因子であった.発症時間解析では,MASA<168群では有意に発症率が高かった
【結論】院内肺炎の要因として嚥下状態が重要な因子であることが示唆された.今後は活動・栄養の観点も加えて,肺炎の予防に繋げられるか検討していくべきであると考える.