日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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気管支喘息におけるFeNO測定の意義
杉浦 久敏
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2019 年 28 巻 1 号 p. 66-71

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抄録

気管支喘息は気道の慢性炎症を本態とする疾患である.喘息患者の気道では,通常,慢性の好酸球性炎症が生じており,好酸球性炎症の有無や程度を知ることが喘息の診断や管理の上で極めて重要である.近年,呼気一酸化窒素濃度(fractional exhaled nitric oxide: FeNO)の測定が保険収載され,すでに日常臨床の場でも汎用されている.本項では,FeNOの測定原理や測定の実際,正常値,測定の際に留意すべき点,喘息患者におけるFeNO高値の機序などについて概説する.また,喘息とFeNOに関するエビデンスについて国内外の報告を紹介する.さらに重症喘息におけるFeNO測定の意義についても解説する.最後に慢性閉塞性肺疾患(COPD)と喘息の合併病態であるACO(asthma COPD overlap)におけるFeNO測定の有用性についても併せて紹介する.

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© 2019 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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