2019 年 28 巻 2 号 p. 212-216
疾病の構造・概念も大きく変化し,病院という環境下で治療し,治癒を目指してきた20世紀の医療から,高齢少子化の時代は,治癒しない病気や,加齢に伴う晩期退行性病変と呼ばれる認知症を抱えながら,生きていく事に伴走し,暮らしを支える医療への転換が求められている.
病院から在宅療養への移行支援を,実践値をもとに,可視化した3段階のプロセス,そして,病院機能・規模に応じて院内・地域支援者との早期から連携・協働について紹介する.
Aging in place(本人が望む場所で,暮らし・生活が継続できて,その延長線で人生の最期を迎えることができる)を実現するために,病院に求められる退院支援・外来での在宅療養支援とは,どのようなことなのか.そして,病気・患者の状況から,大事な分岐点に,一歩先を予測してこれからのことへ備え,心づもりをする.ACPは,主語は患者自身であるが,一緒に考える場を作り,地域支援者とともに,思いをつなぎ,紡いでいく事であると考えている.