2019 年 28 巻 2 号 p. 254-258
呼吸困難感が強い慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者のリハビリテーション介入は難渋することが多い.今回,動作時に呼吸困難感が生じるCOPD患者に対して,外来のリハビリテーションを行ったが,症状のコントロールが難しく,運動療法や身体機能維持に向けての支援に難渋した事例を報告する.外来でのリハビリテーション介入当初より動作時呼吸困難感の訴えがあり,筋力トレーニングや有酸素運動は積極的にできず,身体機能維持,呼吸困難感軽減のために動作や呼吸法の指導を中心におこなった.しかし,日常生活動作のみの身体活動では呼吸困難感軽減,身体機能維持は困難であった.ワークショップでは,多職種から意見を頂き,運動療法だけでなく吸入,栄養療法,心理面も含めた介入やその方法など幅広くディスカッションをすることができ,患者と共に目標を設定し,支援していく必要性を再確認した.