日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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慢性腎不全増悪により急性呼吸不全を呈した一症例
―人工呼吸器離脱に向けた理学療法―
古川 大柴田 和幸大倉 和貴岩倉 正浩菅原 慶勇高橋 仁美円山 啓司塩谷 隆信
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2019 年 28 巻 2 号 p. 259-261

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抄録

近年,重症患者の生命予後の改善に伴い,集中治療室(Intensive care unit: ICU)滞在中のICU関連筋力低下(ICU-acquired weakness: ICU-AW)を代表とした運動機能障害の合併が問題となり,短期および長期機能予後に悪影響を及ぼすことが報告されている1).ICU患者に対する早期介入の有効性については人工呼吸器期間,ICU在室日数,入院期間の短縮,せん妄の発症減少と期間短縮,運動機能や日常生活動作の早期獲得,加えて生活の質の向上や長期機能予後の改善が得られるとして十分なEvidenceが確立されている2).本症例は,全身状態が重篤かつ不安定であった重症患者で,人工呼吸器,透析器などの多数のメカニカルサポートを要した.呼吸器合併症の予防と早期離床,体位管理を実践したことでweaningに成功し,独歩で退院に至った一例を経験したため報告する.

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© 2019 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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