2019 年 28 巻 2 号 p. 274-278
吸気筋トレーニング(IMT)は,種々のガイドラインにおいてその推奨度は高くない.また,日本においては,様々な理由でIMTを導入していない施設が多く,その有効性に関する報告も少ないのが現状である.以前から,当院では,外来通院中の安定期慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対して積極的にIMTを実施している.その結果,呼吸筋力の増強,息切れの軽減,運動耐容能の向上といった効果が得られている.本稿では,当院におけるCOPD患者に対するIMTの効果の検証報告を紹介するとともに,実施方法を例示することでIMTが普及する一助としたい.