日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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呼吸筋トレーニングの現状と未来
―その進歩と普及を中心に―
田中 貴子神津 玲W. Darlene Reid
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2019 年 28 巻 2 号 p. 268-273

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抄録

慢性呼吸器疾患患者,特にCOPDにおいて呼吸筋機能不全は呼吸機能障害の主要な特徴である.これに対し,呼吸筋トレーニングは呼吸リハビリテーションの一手段として適用される.一般的に呼吸筋トレーニングは,吸気筋トレーニング(IMT)を意味し,負荷刺激を適用することによって,その強化を試み,換気能力を高め,呼吸困難や運動耐容能の改善を図る.COPDに対するIMTの有用性について,システマティックレビュー(SRs)が報告されている.これらによると,IMTは一般的な運動療法との併用により,呼吸筋力のみならず,運動耐容能,呼吸困難,健康関連QOLなどにおいて有意な改善効果を認めている.しかし,ガイドラインでのエビデンスのレベルは高くなく,実際の臨床現場における取り組みは不明である.本稿では,SRsをもとに,IMTの臨床的意義について紹介し,臨床現場での現状とその課題について解説した.

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© 2019 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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