日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
安定期慢性閉塞性肺疾患における身体機能の経時的変化と栄養状態の関連
中茎 篤松嶋 真哉横山 仁志武市 梨絵渡邉 陽介中田 秀一峯下 昌道駒瀬 裕子
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2019 年 28 巻 2 号 p. 314-319

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抄録

【はじめに】COPD患者は身体機能低下が問題視され,その原因の1つとして低栄養が考えられている.我々はCOPD患者の身体機能の経時的変化を調査し,栄養状態との関連を明らかにした.

【方法】対象は安定期COPD患者71例とした.栄養状態は%理想体重で評価し,90%未満を栄養障害有り(17例),90%以上を栄養障害無し(61例)に分類した.身体機能は6分間歩行距離(6MWD),等尺性膝伸展筋力(KES),握力 (HG) を1年毎に計2回測定し,各変化量 (Δ) を2群間で比較した.また各変化量を従属変数とした重回帰分析を行った.

【結果】身体機能の変化量はΔ6MWD,ΔKESおよびΔHG全ての項目で2群間に有意差を認めた(p<0.05).各Δ身体機能が従属変数の重回帰分析は各モデルで栄養状態が有意な規定因子であった(p<0.05).

【考察】COPD患者の身体機能変化には栄養障害の有無が関連することが明らかになった.安定期COPD管理における栄養状態の重要性が再確認された.

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© 2019 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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