日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
高齢慢性閉塞性肺疾患患者のセルフマネジメント行動の実態と息切れの程度による比較
北村 智美五十嵐 歩山内 康宏千住 秀明堀江 健夫山本 則子
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2020 年 28 巻 3 号 p. 393-400

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抄録

【目的】高齢慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)患者のセルフマネジメント(以下SM)行動の実態を明らかにすること.

【方法】65歳以上のCOPD患者に対面式質問紙調査・診療録調査を行った.SM行動実施状況の記述統計量を算出し,息切れの程度別に各行動を比較した.

【結果】81名(平均年齢78.2 歳)のデータを分析した.在宅酸素療法,禁煙や内服に関するSM行動実施群(以下実施群)の割合は約8割以上であった一方,呼吸法,運動やコミュニケーションに関する項目では3~6割であった.息切れ強群は息切れ弱群に比して,“急な動作を避ける”“室内の環境整備”“息苦しくなる動作を避ける”“排痰”“治療方針や療養場所に関する医療者との話し合い”の実施群の割合が有意に高く,“散歩”は実施群の割合が低かった.

【結論】高齢COPD患者に対する,呼吸法や運動・コミュニケーションに関するSM支援が課題である.

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© 2020 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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