2020 年 28 巻 3 号 p. 434-439
【目的】身体活動量の評価として用いられる歩数・歩行距離に関して,1日の最大値・最小値を評価することの有用性を明らかにするために,肺機能,運動耐容能,日常生活活動能力,Quality of life,うつ度との関連を検討した.
【方法】外来受診している慢性閉塞性肺疾患患者11名を対象とした.身体活動量と各項目間の相関をSpearmanの順位相関係数により分析した.
【結果】身体活動量の最大歩数を除く項目でSGRQのActivity scoreと有意な負の相関を認めた.また,歩数平均値・最大値ではFEV1.0と有意な正の相関を認めた.歩数最小値と歩行距離最小値ではSDSと有意な負の相関を認めた.歩行距離最大値では6MWDと有意な正の相関を認めた.
【考察】歩行距離最大値は運動耐容能と,歩数・歩行距離の最小値はQOL,うつ度と相関する点から,身体活動量の評価指標としては有用である可能性が考えられた.