【背景と目的】在宅移行をすすめる地域包括ケア病棟では,退院後90日以内の入院は健康保険上認められていない.しかし,重症COPDでは退院後90日以内の再増悪が多く,どのような因子が再入院の要因になっているか検討し,再増悪予防の呼吸リハ介入のポイントを考察すること.
【対象と方法】H25年4月からH29年2月までに当院に入院し,呼吸リハを行ったCOPD患者120例を対象とした.後方視的に患者特性,身体活動性,NRADL,運動耐容能,QOLと90日以内の再入院との関係を検討した.単変量解析後,有意差の認められた項目でロジスティック回帰分析にて統計解析を行った.
【結果】charlson comorbidity index(OR 0.527,95%CI: 0.243-0.863),歩数(OR 1.246,95%CI: 1.074-1.589),体重減少量(OR 1.618,95%CI: 1.184-1.852)が有意な因子として抽出された.
【考察】呼吸リハを実施するにあたり,併存症の管理,身体活動性の向上,体重の管理を包括的に行う必要があると考えられた.