治癒や延命を超え,患者の生活・健康への影響といった質を重んじる時代になった.これらは医療者では正しく判断できず,主観を科学的に扱う学問として,患者報告型アウトカムが発展し,quality of life(QOL)はその代表である.QOLの改善はCOPDの治療管理目標にも掲げられるが,QOLは標準化された客観的な尺度の質問票を用いて,主観的に評価し定量的に表現される.QOLは,呼吸機能など生理学的指標との関係は強くなく,別々に評価する必要がある.COPDにおいては,疾患特異的質問票であるSt. George’s Respiratory Questionnaireが頻用され,呼吸器疾患全般において有用性が検証された.しかし慢性呼吸不全では十分ではなく,私たちはSevere Respiratory Insufficiency Questionnaireの日本語版を作成し,臨床試験に応用した.