日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
慢性閉塞性肺疾患患者の食欲と食事環境および関連因子との関係
大久保 侑衣森下 辰也陶山 和晃北川 知佳津田 徹城石 涼太宇都宮 嘉明田中 貴子石松 祐二神津 玲
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2021 年 30 巻 1 号 p. 77-82

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要旨

【目的】安定期慢性閉塞性肺疾患患者を対象に,食欲の実態を調査し,食事環境および関連因子との関係性を明らかにすること.

【方法】食欲,食事環境(家族構成,食事状況,食事内容),身体機能,呼吸機能,呼吸困難,生活の質,精神・心理状態,栄養状態,摂食嚥下機能を調査し,食欲低下群と非低下群に分類した.両群間で各項目について比較検討し,食欲低下に関連する因子について多変量解析を行った.

【結果】93例が解析対象となった.食欲低下群は44例(47%),食事環境では,独居,孤食の者で食欲低下群の占める割合が高かった.また,食欲低下群では,握力,栄養状態,摂食嚥下機能が有意に低く,食事中の呼吸困難が有意に高値を示した.多変量解析の結果,食事中の呼吸困難と栄養状態が有意な因子として抽出された.

【結語】47%が食欲低下群に分類され,食事中の呼吸困難と栄養状態が食欲低下に関連する因子であった.

緒言

慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:以下COPD)は炎症に起因する全身性疾患であり,多くの併存症を有している1.中でも,栄養障害は高率に認められると報告されており,安定期COPD患者の55%に標準体重の割合が90%に満たない体重減少を認めたと報告されている2.また,対象者の約70%が軽症および中等症にも関わらず,その約30%は体格指数(body mass index:以下BMI)が 20 kg/m2未満であったとする報告3もあり,軽症の段階から体重減少が生じることが示されている.体重減少を認めるCOPD患者では,急性増悪や入院のリスクが高く4,気流閉塞と独立した予後規定因子1として重要視されている.そのため,COPD患者における栄養障害の対策と管理は,極めて重要である.

COPD患者の体重減少には,様々な因子が密接に関連している5.特にエネルギー摂取量の低下における本疾患特有の要因としては,腹部膨満,咀嚼および嚥下に伴う呼吸パターンの乱れによる摂食嚥下困難6,食事動作に伴う呼吸困難7や胃食道逆流など消化器疾患の合併8が指摘されており,これらの因子が複雑に関与し,食欲低下が生じるとされている.この食欲低下は,本邦の一般高齢者において約10~15%の割合で認められるという報告9に対し,COPD患者では約40%と報告されており10,食欲低下は本患者群における食事摂取量減少の重要な要因である可能性が高い.

また食欲には,同居者の存在といった環境因子も関連することが報告されており11,食欲が良好であるほど健康関連生活の質(health related quality of life:以下HRQoL)が高いことが示されている.さらに,栄養指導時には家族の参加や,好みの食品の追加などが推奨されており,在宅での栄養指導には人的および生活環境を考慮した個別性の高い栄養指導が必要であるとされている12.しかし,本邦のCOPD患者において,家族構成や食事状況,食事内容などの人的および生活環境といった,食事に関連する環境因子と食欲の関係については明らかにされていない.

そのため本研究では,本邦のCOPD患者における食欲の実態を調査し,食事に関連する環境因子との関連性,および食欲と関連する因子について検討することを目的とした.これらが明確になれば,食欲低下を認めるCOPD患者に対して,早期から体重減少の予防を目的とした介入が可能となり,家族も含めた栄養指導のあり方に具体的かつ有益な示唆を与えるだけでなく,HRQoLや予後に良好な影響を及ぼす可能性も期待できる.

対象と方法

1. 研究デザイン

多施設(田上病院,長崎呼吸器リハビリクリニック,霧ヶ丘つだ病院,宇都宮内科医院)共同横断研究.

2. 対象

2018年8月から2019年9月の期間に上記4施設において,外来または通所・訪問リハビリテーションを実施し,過去4週間以内に急性増悪による入院のない安定期COPD患者を対象とした.除外基準は,入院中の患者,食欲や食事摂取に影響すると考えられる消化器系疾患やがんを合併する患者,経口摂食が困難な患者,本研究の趣旨や内容の理解が困難,あるいは研究参加への同意が得られない者とした.また,全ての対象者に本研究の目的や意義,倫理的配慮について口頭および文書にて説明を行い,書面にて研究参加への同意を得た.なお,本研究は長崎大学大学院医歯薬学総合研究科倫理委員会の承認を受けて実施した(許可番号:18071207).

3. 評価項目

1) 対象者背景

年齢,性別,BMI,在宅酸素療法(home oxygen therapy:以下HOT)あるいは非侵襲的陽圧換気(non-invasive positive pressure ventilation:以下NPPV)使用の有無を診療記録より調査した.また,過去に栄養指導を受けた経験の有無について確認した.

2) 食欲

Council on Nutrition Appetite Questionnaire(以下CNAQ)13の日本語版であるCNAQ into Japanese(以下CNAQ-J)14を用いた.図1に示すように,CNAQ-Jは8項目から構成されている.40点満点中,28点以下であった場合を食欲低下と判断でき,その場合,6ヵ月後に体重減少が進行するリスクが高くなるとされ,その予測も可能である13

図1

Council on Nutrition Appetite Questionnaire into Japanese

3) 食事環境

食事に関連する環境因子として,対象者から家族構成(独居または同居),食事状況(孤食または共食),食事内容(手作りまたは既製品)を聴取した.

4) 身体機能

握力と活動状態を評価した.握力はデジタル握力計(竹井機器工業社製T.K.K.5401グリップ-D)を使用し,左右各2回ずつ測定,最大値を解析に用いた.活動状態は,Eastern Cooperative Oncology Group Performance Status(以下ECOG-PS)を用いて評価した.

5) 呼吸機能

スパイロメータ(ミナト医科学社製オートスパイロAS507)を用い,1秒量(forced expiratory volume in one second:以下FEV1),努力性肺活量(forced vital capacity:以下FVC),1秒率(以下FEV1/FVC)を測定し,加えてGOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)分類1による気流閉塞の程度を評価した.

6) 呼吸困難

modified Medical Research Council(以下mMRC)息切れスケールと,食事中の呼吸困難を修正Borgスケールにて聴取した.

7) HRQoL

COPD assessment test(以下CAT)を用いて評価した.

8) 精神・心理状態

Hospital Anxiety and Depression Scale(以下HADS)15を用いて評価した.不安と抑うつそれぞれの合計点数とともに,8点以上を示した対象者数とその割合を示した.

9) 栄養状態

Mini-Nutritional Assessment-Short Form(以下MNA-SF)16を使用した.14点満点中0~7点が「低栄養」,8~11点が「低栄養のおそれあり」,12~14点が「栄養状態良好」と分類される.本研究では合計点数とともに,11点以下であった対象者数とその割合を示した.

10) 摂食嚥下機能

Eating Assessment Tool-10(以下EAT-10)17日本語版を用いた.これは,40点満点中3点以上で嚥下障害の疑いと判断され,ここでは合計点数とともに,3点以上を示した対象者数とその割合を示した.

4. 統計学的解析

CNAQ-Jのカットオフ値である28点を用いて,対象者を食欲低下群(28点以下)と非低下群(29点以上)に分類し,両群間で上記評価項目をMann–WhitneyのU検定,Fisher Exact検定,χ2検定にて比較検討した.また,食欲低下に関連する因子については,単変量解析にて統計学的に有意であった項目を独立変数とし,CNAQ-Jによる食欲低下の有無を従属変数とした多重ロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)を行った.データは中央値[四分位範囲]あるいは対象者数(百分率)にて表示し,統計学的有意水準は5%とした.これらの解析は,統計解析ソフトウェア IBM SPSS Statistics® ver. 25.0(IBM社)を使用した.

結果

1. 対象者背景

全対象者106例中,除外基準であるがんを有する患者13例を除外した結果,解析対象者は93例であった.

全対象者の背景を表1に示す.年齢は77歳,男性が72例(77%)を占め,CNAQ-Jは29点であった.CNAQ-Jによる食欲低下群は44例(47%)であり,CNAQ-Jによる主観的食欲(下位項目A,図1)において,「ほとんどない,あまりない」と回答した者は10例(10.8%)であった.GOLD stageは軽症および中等度の気流閉塞が計59例(63%)を占めていた.mMRC 息切れスケールにおいては,グレード0が49例(54%)であった.

表1 対象者特性(n=93)
項目全対象者
食欲低下群
(n=44)
非低下群
(n=49)
p値
年齢(歳)77.0[71.0-83.0]77.0[72.0-83.8]76.0[69.5-82.0]0.298
性別;男性72(77.4)33(75.0)39(79.6)0.628
BMI(kg/m222.6[20.0-24.8]21.0[18.6-24.2]23.1[21.5-25.2]0.028
HOT;あり19(20.4)7(15.9)12(24.5)0.398
NPPV;あり2(2.2)1(2.3)1(2.0)1
栄養指導を受けた経験;あり33(35.5)15(34.1)18(36.7)0.831
CNAQ-J(点)29.0[26.0-31.0]26.0[24.0-28.0]31.0[30.0-32.0]<0.001
握力(kg)30.0[24.8-37.1]27.8[24.0-35.8]31.0[26.4-38.0]0.041
ECOG-PS;0/1/2/3/4(例)40/39/6/3/016/29/4/2/024/20/2/1/00.527
FEV1(L)1.29[0.83-1.94]1.17[1.76-0.80]1.36[0.88-1.99]0.189
FEV1(% pred)62.0[36.5-76.4]63.2[36.4-76.5]62.0[36.2-76.5]0.723
FVC(L)2.34[1.66-2.92]2.1[1.50-2.74]2.6[1.78-3.11]0.028
FVC(% pred)79.8[60.6-91.0]76.0[56.5-90.0]82.9[62.5-95.0]0.199
FEV1/FVC(%)64.0[45.0-70.3]63.5[47.7-69.5]64.5[43.7-70.7]0.658
GOLD stage;I/II/III/IV(例)19/40/18/169/18/9/810/22/9/80.98
mMRCスケール;0/1/2/3/4(例)30/19/23/12/710/11/11/5/620/8/12/7/10.112
食事中呼吸困難;修正Borgスケール0.0[0.0-0.0]0.0[0.0-3.0]0.0[0.0-0.0]0.063
        修正Borgスケール≧313(14)11(26.2)2(4.2)0.005
CAT10.0[7.0-17.0]13.0[7.3-18.0]9.0[5.0-18.0]0.062
HADS;不安(点)3.0[1.0-7.0]5[2.0-8.0]3[1.0-7.0]0.154
     ≧822(24)11(25.0)11(22.4)0.809
     抑うつ(点)6.0[3.0-9.0]7[4.0-10.0]5[2.0-7.5]0.016
     ≧827(29)16(36.3)11(22.4)0.169
MNA-SF(点)12.0[10.5-13.0]11[9.0-12.0]13[11.0-14.0]<0.001
MNA-SF≦1141(44)26(59.1)15(30.6)0.007
EAT-10(点)1.0[0-5.0]3[0.0-7.0]0[0.0-3.5]0.002
EAT-10≧337(40)24(54.5)13(26.5)0.01

中央値[四分位範囲],例(%)

ECOG-PS:n=88(食欲低下群41例),mMRCスケール:n=91(食欲低下群43例),HADS≧8:疑いあり,MNA-SF≦11:低栄養のおそれあり,EAT-10≧3:嚥下障害の疑いあり

BMI: body mass index, CAT: COPD assessment test, CNAQ: Council on Nutrition Appetite Questionnaire, EAT-10: Eating Assessment Tool-10, HADS: Hospital Anxiety and Depression Scale, HOT: home oxygen therapy, mMRC scale: modified Medical Research Council scale, MNA-SF: mini-nutritional assessment short-form, NPPV: noninvasive positive pressure ventilation, ECOG-PS: Eastern Cooperative Oncology Group Performance Status, %FEV1: forced expiratory volume in one second, % pred: % predicted

2. 食事環境

食事環境別に見た両群の対象者の割合を図2に示す.家族構成では,独居13例(14%),食事状況では,共食15例(16%),食事内容では,手作り87例(94%)であった.また,独居のうち9例(69%),孤食のうち10例(67%)が食欲低下群であった.ただし,1例は食事環境について回答が得られず,92例で解析を行った.

図2

食事環境別での2群間の割合

3. 食欲低下群の特徴

食欲について,両群の比較を表1に示す.食欲低下群では,非低下群と比較してBMI(p=0.028),握力(p=0.041),MNA-SF(p=0.007)が有意に低く,食事中の呼吸困難(p=0.005),EAT-10(p=0.01)が有意に高値を示した.

4. 食欲低下に関連する因子

多重ロジスティック回帰分析の結果を表2に示す.従属変数をCNAQ-Jによる食欲低下の有無,独立変数を単変量解析の結果より有意差を認めた項目に加えて,食欲に関連する因子として重要視されている抑うつも選択した.その結果,食事中の呼吸困難(オッズ比:0.635,95%信頼区間:0.42-0.97,p=0.036),MNA-SF(オッズ比:1.355,95%信頼区間:1.07-1.71,p=0.011)が統計学的に有意な因子として抽出された.

表2 食欲低下に影響する因子
オッズ比95%信頼区間p値
下限 上限
食事中の呼吸困難0.6350.42-0.970.036
MNA-SF1.3551.07-1.710.011

従属変数:CNAQによる食欲低下の有無(0:低下群,1:非低下群)

独立変数:BMI,握力,食事中の呼吸困難,MNA-SF,EAT-10,抑うつ

統計解析:多重ロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)

CNAQ-J: Council on Nutrition Appetite Questionnaire into Japanese, BMI: body mass index, MNA-SF: Mini-Nutritional Assessment Short-Form, EAT-10: Eating Assessment Tool-10

考察

本研究ではCOPDを対象に,食欲の客観的評価が可能であるとされるCNAQ-Jを用いた食欲の実態調査と食欲との関連因子について検討した.その結果,対象者の47%が食欲低下群に分類された.食事環境では,独居,孤食の者の約70%が食欲低下群であり,その割合は同居,共食の者よりも高かった.食欲に関連する因子として,食事中の呼吸困難とMNA-SFが抽出された.食欲低下群の特徴として,栄養状態(BMI,MNA-SF),握力,摂食嚥下機能が低下しており,食事中の呼吸困難が強いことが明らかとなった.今回,COPD患者において,食欲と環境因子を含めた関連因子を明らかにしたのは,筆者らが知る限り最初の研究であると言える.

本研究の対象者は,気流閉塞が軽度でありBMIが標準であるなど,軽症例が多かったにも関わらず,半数近くの対象者が食欲低下群を占めた.しかし,CNAQ-Jの下位項目である主観的食欲では,「食欲はない,もしくはあまりない」と回答した者は10.7%であり,CNAQ-Jによる客観的評価との相違が認められた.COPDでの主観的食欲調査を行った先行研究10では,重症例が多かったにも関わらず,食欲低下を認める者は15%であったと報告されている.このような結果からも,主観的評価では,食欲を過小評価する可能性が考えられ,客観的評価との相違が認められたのではないかと考える.そのため,CNAQ-Jによる客観的評価を行う必要性は高く,その意義を示すことができたと考える.COPD患者では,軽症の段階から食欲が低下している可能性があるため,CNAQ-Jによる評価を行い,食欲低下を認める者に対してはより早期から栄養指導などの介入が必要であることを示唆している.

食事環境において,独居,孤食の対象者では,同居,共食の者と比べて食欲低下群の割合が高かった.高齢者の食欲低下の誘因として,うつの存在が影響する18とされており,さらに,高齢者においては,家族と食事を共有することが,精神的な満足感や健康状態と関連する19ことも報告されている.これらの要因が関連し,独居,孤食の者では食欲低下群の割合が高くなっていたことが考えられる.そのため,食事環境を評価する必要性は高く,より個別的な栄養介入に寄与すると推察される.

CNAQ-Jによる食欲低下群においては,栄養状態(BMI,MNA-SF),握力,摂食嚥下機能が有意に低下しており,食事中の呼吸困難が有意に高いという結果であった.地域在住の一般高齢者では,摂食嚥下機能低下を認める者は約25%であったとの報告20に対し,本研究対象者では40%であった.COPDにおける摂食嚥下障害は,食事中の呼吸困難や疲労感と関係する7ことが報告されており,これらの疾患特異的な要因が関連し,食欲低下群では,摂食嚥下障害と食事中の呼吸困難が認められた可能性がある.

多重ロジスティック回帰分析の結果,食事中の呼吸困難とMNA-SFが食欲低下に関連する因子として抽出された.前述の通り,食事中の呼吸困難には摂食嚥下機能や食事動作,姿勢が関係する7と報告されている.これら様々な要因が食事中の呼吸困難を増強させ,MNA-SFが低値であることが,食欲低下に関連したと考えられる.MNA-SFにおいては,CNAQ-Jと相関する14ことが報告されており,先行研究を支持する結果となった.食事動作の呼吸困難を評価することで,mMRC息切れスケールでは評価し得なかった食欲との関連を明らかにすることができた.さらに,COPDに特異的な腹部膨満感や呼吸困難,抑うつ,活動量の減少などが影響し,食欲の低下,食事摂取量の減少といった悪循環が生じていた可能性も考えられ,これらの問題に対しては多職種での介入も必要であると考える.

本研究の限界として,横断的調査であるため,食欲低下と栄養状態や摂食嚥下機能との因果関係について言及することは不可能である.また,独居や孤食の対象者が少なかったことや,重症度において対象者の63%が軽症,中等症であったこと,食事中の呼吸困難をリアルタイムで評価できておらず,原法とは異なる方法を用いたため想起バイアスが生じた可能性があり,これらが結果へ影響した可能性も考えられる.さらに,服薬状況や吸入薬の使用が食欲に影響する可能性も考えられるが,本研究では服薬に関する詳細な調査が実施できなかった.一方,本研究の強みは,多施設共同研究であり,施設による治療や管理による影響は少ないことが考えられ,その結果の外的妥当性は高いと言える.

食欲の評価は,対象者の主観的評価だけでなく,CNAQ-Jによる客観的評価を行うことで,体重減少のリスクがある患者の早期選別,早期からの栄養療法に役立つ可能性が高い.さらに,食事動作中の呼吸困難が生じる要因について多方面から評価を行うことで,その原因に応じた対応や指導,例えば運動療法や動作の工夫,ペースコントロールなどが可能となる.こうしたアプローチが奏功することで,食欲や食事摂取量の増加に寄与できれば,体重減少の予防や,HRQoLの改善も期待できると考える.今後は,CNAQ-Jと体重を含めた関連項目の推移に関して縦断的に調査を行う必要がある.さらに,食事環境に関しては,対象者を増やして検討を重ねるとともに,食欲低下を認める独居の者に限定して詳細に調査を行う必要があると考える.

著者のCOI(conflicts of interest)開示

津田 徹;講演料(ベーリンガーインゲルハイム,アストラゼネカ,帝人在宅医療,杏林製薬),神津 玲;講演料(帝人在宅医療)

文献
 
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